「幻想的小曲集」原曲紹介 9. グラズノフ/小さなアダージョ

グラズノフのバレエ音楽「四季」の中の「秋」の1曲です。グラズノフの四季は冬から始まるので、秋は最後の場面になります。昔は吹奏楽でよく演奏されていたイメージがあるんですが、今はどうなんでしょう。動画はオーケストラの演奏ですが、今回のアレンジは、グラズノフ自身が編曲したピアノソロ版を元にしました。

この曲は主旋律と対旋律がはっきりと分かれているので、ソロにアレンジするときにどちらのラインを選択するかは、人それぞれだと思います。本音を言えばピアノソロで収録したかった曲なので、ピアノソロ版の華やかさを損なわず、ピアノの美味しいところをいかに残すかという方針でホルンのメロディーを選択しました。僕の記念碑を一緒に作ってくれた奈良さんに感謝を捧げる1曲として、プライベートな感情がこもった曲になりました。

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「幻想的小曲集」原曲紹介 8. スクリャービン/ロマンス

この曲はアルバムで唯一のホルンの曲です。ということで動画は、逆にチェロで演奏されているものを選んでみました。僕が学生のときに買った楽譜はインターナショナル版だったんですが、それには4小節の前奏がついていました。オリジナルには前奏はついてないと知ったのは数年後のことです。今では前奏つきの演奏はほとんど聴きませんよね。あれは何だったんだろう…。

今回のアルバムは、奈良さんと一緒にこの曲を残したくて作ったところがあります。僕が入れ込んで力が入りすぎてしまったので、録り直すかどうか最後まで悩んでいました。でも、この演奏を再現しろと言われたらできないだろうなと思える、一期一会の演奏ではあったので、この時点での記録として残すことにしました。

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「幻想的小曲集」原曲紹介 7. スパーク/イーナの歌

吹奏楽界の巨匠、フィリップ・スパークによるユーフォニアムの人気曲です。この曲をホルンで録音するためにスパーク氏とやり取りしてたんですが、「音符は一切変更してないよね?ならええよ」という返事がきてドキッとしました。2年前、結婚20周年コンサートでこの曲を演奏したとき、楽譜とは別のオリジナルのカデンツァをつけて演奏したからです。あれはなかったことにしておこう(ちなみにカデンツァの部分は、正確にはquasi cadenza=「カデンツァのように」という表記です。カデンツァではなく楽曲の一部なので絶対に変更しないようにしましょう!)。

2年前もピアノの寺嶋千紘さんと一緒にしっかり仕上げて舞台にかけたけれど、今聴き直してみると今回の録音の方が表現が進化していて、場数を踏むってこういうことなんだなぁって思いました。まだ表現しきれていないところもあるので、次にやるときはこうしたいなぁというイメージだけは既にあります。

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「幻想的小曲集」原曲紹介 6. ダヴィドフ/3つのサロン風小品第1番

チェリストでありチェロの曲を多く残したダヴィドフの小品です。一般的なクラシック鑑賞の範囲からすると、秘曲と言っていいと思います。Youtubeにあがっている音源自体が少ないですが、そのひとつは4年前に公開されていて、2019年10月現在で閲覧数が68回です。少な!チェロの最低音のCまで下がるのが上吹きにはネックな気がしますが、でもアンコールピースとかにちょうどいい曲だなと思います。

僕は全音から出ていた楽譜を使ったんですが、一般的に演奏されてるロシアの楽譜とは音が違う箇所があることが、レコーディングしてから判明しました。全音版を使った証としてこのままにしようか悩んだけど、テクノロジーの力を借りて音程を修正しました。ホルンはあくまでカバーなので、一般的に鑑賞できる原曲に合わせた方がいいと判断したからです。修正前の音源も残っているので、興味がある人はビフォーアフターを聴かせます。そういうトークショーした方がいいですか?笑

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「幻想的小曲集」原曲紹介 5. チャイコフスキー/秋の歌

12曲からなるピアノ曲「四季」の10月に当たる曲です。Wikipediaによると、6月の「舟歌」と11月の「トロイカ」が有名らしいけど、僕はトロイカよりも秋の歌の方が馴染みがありました。武満徹のクラ五版で耳にしてたことが多かったからかもしれない。

レコーディングではなぜか、テンポがめっちゃ遅くなりました。多分メロディーを浮遊させることに没頭してたんだと思います。あとで音源を聴いて「ランランかよ!」って突っ込んでました。ちなみに今年のチャコフスキーコンクールのホルン部門の課題曲は舟歌でした。秋の歌じゃなくて若干ホッとしました。この曲は僕だけのチャイコンです。

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