今回、恥ずかしながら、見よう見まねで演じるということをやってみましたが、演劇において「何がリアルで何がナチュラルなのか」という疑問を抱えながらの取り組みでした。
たとえば、芝居的な声の張り方。自分の日常をナチュラルと言うなら、声を張って語っている時点でナチュラルではなくなります。それを「演劇の中のナチュラル」としてよしとするのか、あるいは演劇的な視点を外して考えたら、もしかしたら別のやり方があるのか。
たとえば、芝居的な言い回し。「~だわ」「~なのよ」とか、現代社会では(オネエ以外)まず聞かないけど、映画や演劇、歌詞の世界では「リアルなもの」として扱われている女性言葉。これを無くしたら確かに現実的だけど、演劇としての幅はなくなってしまうのだろうか?とか。
今回、手本になるようなものを何も調べず、闇雲に首を突っ込んでしまったので、今度は少し、芝居と現実の境界線を見極めてみたいと思います。今回の占い師の役だと、現時点では「少し耳が遠いオネエの占い師」という設定にするのが、自分の中で一番リアルでナチュラルな気がします。でもそれをリアルだと言うなら、全員が耳が遠いことにしないといけないですが(笑)