“彼女たちは今、外の世界と繋がる橋を自らの手で架けようとしています。
時に世の中の情報を遮断してまで音楽に没頭している音大生にとって、それは勇気と決意がいることです。
その思い、私たちで受け止めようじゃありませんか。
MITA HALLマネージャー柳楽正人”
現役音大生が立ち上げた、「関西で音楽を学び、励む学生たちの魅力を紹介するフリーペーパーを作りたい!」というクラウド・ファンディングに、推薦文を書かせていただきました。
ただし100文字程度という制約があったので、ほとんどの思いはこぼれ落ちてしまったのではないかと感じています。
そこでここに思いを付け足すことで、後押しの応援メッセージにしたいと思います。
まず最初に「ミタホールのマネージャーって誰やねん?」という疑問を解消しておきます。
ミタホールというのは、大阪の豊中市にある50席ほどの小さな音楽サロンです。
オーナーの方針で学生でも手軽に使える料金プランがあり、関西を中心にたくさんの音大生・芸大生に使っていただいています。
僕自身は「ミュージックメッセージ」という個人の音楽事務所をやっていて、ミタホール以外にも様々な音楽関係の仕事をしているので、ミタホールに出演してくれた人たちの中には、その後も色々な場面で交流させていただいている人もいます。
時には個人的に活動についての相談に乗ることもあります。
現役の学生や若い音楽家の皆さんの、これからのキャリアをずっと応援し続けたいと思っている立場として推薦文を書かせてもらいました。
先日、この企画の中心メンバーと会ってお話しをする機会がありました。
そこで初めて、フリーペーパーについての詳細を説明してもらいました。
僕はそれを聞きながら、いくつかの質問をさせてもらいました。
デジタル社会のこの時代に、なぜ紙媒体でないといけないのか?
各音大やその中の楽器別の専攻は、現在もそれぞれに情報を発信しているのに、なぜ音大同士の繋がりがないことが問題だと思っているのか?
それらの疑問に対して、彼女たちは明確な言葉で説明をしてくれました。
それを聞いて、これが単なる自己満足ではなさそうだということは確認できました。
ここにその詳細は書きませんが、その思いはきっとこれから彼女たち自身の口で語られると思います。
音大生は、いや、音楽家はと言い換えてもいいかもしれませんが、自分が音楽をすることの意味を潜在的に考え続けています。
自分の音楽は誰に必要とされているのか。
音楽家として社会とどう繋がっていけばいいのか。
音大生が協力してフリーペーパーを作るという試みは、そうした日々の葛藤の中から生まれたひとつの形です。
多くの音大生は、ただひたすらに純粋に音楽に没頭しています。
そのスタートが3歳や4歳からという人も少なくありません。
音大に入るずっと前からそんな生活を続けてきた彼女たちが、ふと楽譜から顔をあげ、外の世界と繋がりたいと本気で願った最初の一歩、それがこのフリーペーパーなのです。
今回のクラウド・ファンディングに関して、少しだけ僕が心配していることがあります。
それはこのフリーペーパーが、学生が学生のためだけに作っているという内輪の雰囲気を感じてしまう人はいないだろうか、という点です。
確かに企画を読むと、音大生が読者であることを想定した内容も書かれています。
でもそれは、決して内輪のノリだからではないと思っています。
なぜなら、音楽だけに没頭してきた彼女たちにとって、今自分たちが知っているリアルな社会は、ほとんど大学の中にしかないからです。
大学生特有の表現の中から、音楽を通じて社会と繋がりたいという本当の声をぜひ汲み取っていただき、暖かいご支援をいただければ幸いです。
このフリーペーパーの名前は「Bridge」です。
彼女たちが架けようとしている橋の先にいるのは、あなたです。
関西で音楽を学び、励む学生たちの魅力を紹介するフリーペーパーを作りたい! – Kanatta
https://kanatta-lady.jp/projects/view/kms-bridge