もしかしたら今でもそうかもしれないけど、僕はずっと音楽教師になりたかった人です。ただ、その素質があるのかと言われたら、自信は全くないです。演奏も含めて何をするにしても我流でやってきたところがあって、何が正しい道なのか正直よくわからないのです。
いつの頃からか、僕は「教える」ことはできないけど「伝える」ことはできるかもしれない、と思うようになりました。正しいか正しくないかはわからないけど、自分が体験したことをそのまま伝える、それだけでも、何かの道しるべにはなるかもしれないと。
この1~2年ぐらいは、そこから更に考えが進んで(後退して?)、僕には「伝える」のではなくて、人生のサンプルとしてありのままを「見せる」という役割が、一番効果があるのかもしれないと思っています。
48歳というのは、皆さんの人生のイメージでどれくらいの場所でしょうか。演奏で仕事をするのを辞めると決めてから20余年。仕事をしながら音楽を続けるという選択肢が、この歳になってようやく見えてきました。学生時代までの僅かな蓄えでできる楽しみとしては、悪くない趣味だと思っています。
僕が好きな言葉に「インターネットの出現によって人生のネタバレが進んだ」というものがあります。僕はこれからも、インターネットでネタバレをし続けながら生きていきます。誰かの道しるべになっていることを願って。