【クラウドファンディング24日目】ピアニストは「共演者」

ソリストと一緒に演奏するピアニストを指す「伴奏者」という言い方が好きではありません。不本意ながら便宜上そういう言い方をすることもあるけれど、ピアニストは「共演者」だと思っています。とはいえ「伴奏者」と言う方がしっくりくるケースもあって、例えばオペラアリアや協奏曲など、オーケストラのパートをピアノ譜に直してあるものを弾いてもらうときは「伴奏者」という呼び方の方が近いのかもしれません。僕は学生のときの実技試験で、ホルン奏者の基本レパートリーであるモーツァルトの協奏曲を吹いたことが一度もありません。せっかく素晴らしいピアニストと演奏できる機会に、協奏曲を「伴奏」してもらうのがもったいないと思っていたからです。

今回のレコーディングも同じで、ピアニストは「共演者」です。ホルンとピアノは音楽的に全く対等で、むしろ僕の方が奈良さんの世界観に寄せている曲もあります。「この曲は絶対に奈良さんの魅力が出るに違いない!」と思って選んだ曲もあります。当初はアレンジものは採用しないという方針だったけど、どうしても弾いてもらいたい曲がみつかったので、自分でアレンジした曲もあります(最終的に収録できるかどうかまだわからないので、今は曲名は明かさないでおきます)。奈良さんはどう思っているかわからないけど、このアルバムは僕と奈良さんとの共作だと思っています。