【クラウドファンディング9日目】「本番がどれくらいの頻度であると満足ですか?」

「演奏家として、本番がどれくらいの頻度であると満足ですか?」という質問に、演奏家の人が何と答えるのか興味があります。その質問をさらに正確に言うなら、「演奏家として、“自分が納得できる本番が”どれくらいの頻度であると満足ですか?」ということになるかもしれません。毎日のように本番があるけど、譜読みに追われて仕上がり不足の状況が続いているとして、それでもいいから本番はたくさんあった方が嬉しい人もいれば、少し数を減らしても1回ごとのクオリティを上げたいという人もいると思います。もしかしたら、しっかりと準備したコンサートを1年に1回できるなら、それで充分だと思う人も出てくるかもしれません。

こうして自分が望むクオリティでの本番の回数を考えてみて、実はそんなに回数は必要ないなと思ったとき、もしもそれが叶う環境が確保されるのであれば、音楽を本業にしなくてもいいという選択肢も出てくるかもしれません(もちろん、仕事をしながらある程度のレベルで演奏活動を続けることは、決して簡単なことではありませんが)。さらに、コンサートではなくて、納得がいく演奏を残せるなら録音するだけでも満足できるという人も出てくるかもしれません。今は小さなレコーダーでもそこそこの音質で録れます。リハーサルと本番を録音しておいて、本番でミスした部分をリハーサルの演奏に差し替えるだけでも、より意図した音楽に近づくことができるでしょう。

今回のレコーディングは、自分自身の生きてきた証を残すつもりでやっていますが、演奏を仕事にしていない人の音楽との関わり方のひとつとして、レコーディングという手もあるのか!と思ってくれる人がひとりでもいると嬉しいなと思っています。