人生のたたみ方

大げさで誤解を招く表現になってしまうけど、この1~2年くらい、自分の「人生のたたみ方」のようなものをぼんやりと考えることが多いです。年々身体にガタが来ているのを実感してるし、健康寿命で考えるともしかしたらそんなに非現実的な話ではないかもしれない。人生の終盤に自分がやりたいことってなんだろうなって。自分自身のことで言えば、何かモノとして残るものに興味を惹かれます。一時期流行った「自分史」じゃないけど、文章や音源、写真や動画など、自分が生きてきた証をカタチにして残したい。そして可能であれば、それが誰かの生活にちょっぴり潤いを与えたり刺激を与えたり、役に立つものでありたい。

一番手短な目標は、健康的に自分が納得できるギリギリのラインでホルンが吹けるのは50歳までかなと思っているので、2年以内にレコーディングをしたいなと思っています。この前の弾きあい会で演奏したみたいな、無理のない音域で楽しめる曲を集めたものを。僕が全盛期とは程遠い姿を晒すのは構わないので、「音楽を続けてたらこれぐらいのことはできるんだ」っていう具体的なイメージを作ることで、音大を出て趣味で音楽を続けていくという道に、小さな灯りを示すことができればいいなと思ってます。スタジオでじっくりと編集して音楽を構築していきたいので、もしアルバムにするならタイトルは「フェイク」か「ファンタジー」だな。今のところはプレスまでは考えてないけど。そのうち、50歳の記念で新曲プレゼントしてくださいーってあちこちにお願いしまくります笑

あと、これは京芸で働くようになってからずーっと言ってるので、完全にやるやる詐欺になってるけど、音大・芸大を卒業した人たちにインタビューしまくって、大学を卒業した最初の3年間に何をしていたのか、というのをまとめた本を作りたいです。もちろん、その後は何がどうなって今の仕事をしているのかまでをフォローするんだけど、最初の3年間を切り取って見せることで、これも卒業したての人たちの希望になり得るんじゃないかな、と思ってます。タイトルはずっと前から決まってて「My First 3 Years」って僕は呼んでます。アイザック・スターンの自伝「My First 79 Years」のパクりです、すみません笑

「人生のたたみ方」なんてキーワード、早すぎるって言われるかもしれないけど、これから年々、集中力も意欲もゆるやかに衰えていくんだろうし、自分の性格のいい面も悪い面も強調されていくんだろう。今よりもっと頑固になったり何かにイライラする時間が多くなったとき、今ほど自分のための柔軟な時間が得られないかもしれない。自分の人生は自分の意思がはっきりしているうちに、自分でデザインしたいという気持ちが強いです。