2012-5-10 橋本秀幸 インタビュー 3/4

  • 一番しっくりくるものを自然体で

――このアルバムには、全体にストーリー性を持たせてあると聞いたんですけど、どんなストーリーとかはあるんですか?

「それはあまり重要じゃないんです。曲の流れとしてストーリーになってる、みたいな感じなんですけど。朝が来て、昼になるみたいな」

――ああ、そういうゆるい感じなんですね。グラデーション的に何となく色が変わってくみたいな

「そうですね。聴いた人がストーリーを考えたりしてくれるので、それでいいかなと。意図して何かを狙ったとか、そういうものもあまりないです」

――特にはっきりした物語があるわけじゃないんですね

「聴いた人が、色々な感想をくれるので、本当に自由に感じていただけたらいいなと。僕はただその時に一番しっくりくる音を弾いて、それが録音されているという、すごく自然体な感じですね」

――なるほど。曲のタイトルにもあまり意味を持たせてない感じがするんですが、それは意識してるんですか?音そのものを聴いて欲しいというか

「大体は曲のイメージから浮かんだタイトルを付けています。それもだから、しっくりくるタイトルをつけたってことでしょうか」

――これもまた何かを狙ったわけじゃなく、しっくりくるものが自然体で収まってるっていうことですね

「曲順だけは、すごく練りましたけど」

――曲順は最初に決めてあったんじゃないんですか?

「あったんですけど、変えました」

――出来上がってきた音を聴いて、違うなって?

「音を聴いて、しっくりこず(笑)」

――それこそ、しっくりこなかったわけですね(笑)

「曲順を決めるのは1ヶ月近くかかりました」

「このアルバムは今までのまとめ」につづく>

橋本秀幸

1986年、大阪生まれのピアニスト、作曲家。空間を活かした即興演奏と、作曲作品を軸に音楽活動を行う。自然と奏でられるシンプルな美しい響きで、様々な楽器や声との共演のほか、 ヨーロッパでも映像とのコラボレーションを行うなど多彩な広がりを見せている。ソロピアノ2部作として『earth』を2012年6月にリリース、同年冬に『air』をリリース予定。

http://hideyukihashimoto.com/