2010-01-26 まとめブログとクラシックの関係

皆さんは、2chまとめブログというものをご存知だろうか。
2chというのは、インターネットの巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」のことだ。
2ちゃんねるはたくさんの掲示板の集合体で、細かく分けられた700を超えるジャンルがあり、それらジャンルの中にも、膨大な数の掲示板が存在している。
その何万という掲示板が存在する巨大な2ちゃんねるの中から、興味深いテーマの掲示板をピックアップし、さらにその掲示板の書き込みから面白い発言だけを抜粋してまとめたものが、2chまとめブログと呼ばれているものだ。

2chまとめブログにはたくさんの種類があり、ニュース系の掲示板に特化したもの、画像系の掲示板に特化したもの、あるいは笑えるネタを集めているものなど、各ブログの製作者の好みによって掲示板のチョイスの仕方に様々な特徴がある。
また時には期せずして、同じネタを複数のまとめブログが取り上げることもある。
でも、全く同じ掲示板を元ネタにするのだから内容も同じものになるのかと言えば、面白いものでこれがそうはならない。
どの発言を抜粋するかによって、その雰囲気は異なってくるのだ。

例えば、あるニュースについて議論されている掲示板を2つのまとめブログが取り上げ、一方のブログは賛成派の書き込みだけを抜粋し、もう一方のブログは反対派の書き込みだけを抜き出すというケースがあったとする。
すると全く同じ掲示板が元ネタなのに、真逆の内容を持った2つのブログが出来ることになる。
これは極端なケースとしても、抜粋という編集作業が行なわれている全てのまとめブログでは、多かれ少なかれこうしたことは起こり得る。

まとめブログというのは、掲示板の発言を抜粋して編集するだけで、基本的にはブログの管理人自らが声を発することはない。
彼らはただ、他人が書いた文章を抜き出しているだけだ。
けれど、そうして抜粋・編集した他人の文章の羅列の裏から、管理人の声が聞こえてくる。
まとめブログで起こっているこうした現象を、僕はとても面白いと思っている。
正直に言えば、もし時間があるなら、こうしたまとめブログを自分でもやってみたいとすら思っている。

これってクラシックを演奏するのに似てるなぁ、と思ったのは最近のこと。
クラシック音楽は、作曲家が残した楽譜に従って演奏する「再生芸術」と呼ばれる分野である。
でも、同じ楽譜を演奏しても、全く同じ演奏にはならない。
同じ楽譜から100%の喜びを感じる人もいれば、その中にほんの少し顔をのぞかせる悲しみにスポットを当てる人もいる。
テンポが速い人、遅い人、強弱を極端につける人、あまり抑揚がない人、それぞれの感性や着眼点によって様々な表情が生まれてくる。
僕がまとめサイトに惹かれるのは、クラシックが好きなこととはもしかすると無関係なのかもしれないけれど、2chまとめサイトの「編集」と、クラシックで言うところの「解釈」とはやっぱり似ていると思う。

さらに、そのクラシック音楽家を扱う音楽事務所やマネジメント会社というのは、まとめサイトを作るのにもっと近い作業だと思っている。
クラシック系だけに限っても大小たくさんの音楽事務所があるけれど、弦楽器奏者に強いところ、声楽家が多く所属しているところ、古楽奏者に特化しているところなどなど、得意なジャンルを持っている事務所もあれば、海外アーティストを多く抱えているところ、日本人の有名音楽家がたくさんいるところ、若手を中心に抱えているところなど、音楽家の質に特徴がある事務所もある。
やりたい方針がはっきりと見える事務所を見つけると、いいなぁとうらやましく思う。
まだ勉強中の身であることもあって、その活動をここに詳しく書くことはできないけれど、僕は音楽マネジメントの仕事を、あるはっきりとした意思を持ってやろうとしている。
僕が関わる音楽家の顔ぶれやその活動から、僕が声を出さずともその意思が見える会社にしたい、それが僕の大きな目標だ。

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