【クラウドファンディング13日目】自分の存在を世に刻む

グスタフ・マーラーという人に皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?偉大な交響曲を残した大作曲家ですね。でも当時は、ウィーン国立歌劇場の総監督というクラシック界の頂点のポジションに登りつめ、多くの改革を実行した大指揮者でもあったそうです。もしその当時に録音や録画の技術があって、今でも鑑賞されるようなクオリティーで指揮者としての作品が残っていたとしたら、マーラーは「作曲家でもある指揮者」として認知されていたかもしれません。最近で言うと、レナード・バーンスタインのように。

例えば今風の仕事で言えば、ボーカロイドの楽曲制作者とかユーチューバーの中には、本業は別にあって、その傍らで活動している人もおられると思います。でもその人たちは、本業で記録に残るような大きな実績を残さない限り、おそらく世間の認識はボカロpであり、ユーチューバーであるんじゃないでしょうか。作品や業績を形として残しておくことは、自分の存在を世に刻むことなのかもしれないと思っています。あと何十年かして僕が老人ホームに入ったとき、CDを見つけたヘルパーさんは「わ!おじいちゃん、昔ホルン吹きだったんですね!」って言うことでしょう。プロでも何でもない人が、ただの思い出作りで残したものだったとしても。作品の生命力ってそれほど強いものだと思っています。