事実に忠実なフィクションを考える【カルテ】

昔、スポーツ小説(ノンフィクションではなく小説)を集めていたことがありまして、その中で僕が一番好きな作品が、佐野洋さんの「10番打者」という、日本のプロ野球を題材にした小説です。

この話は、常勝軍団だった巨人が、ライバル球団の南海のエースだった別府投手を引き抜いたという事実に基づいていて、実はその引き抜きは闇の組織によって実行されたもので「巨人をさらに強くすることでアンチ巨人ファンを増やし、プロ野球を活性化させる」という壮大な計画だったというストーリーです。事実の部分はねじ曲げることなくそのまま使い、闇の実行犯グループをフィクションで作り上げた傑作で、興味がある人はぜひ読んでみてもらいたいんですが、高校生ぐらいのときにこの小説を読んで以来、その手法にずっと憧れがありました。

「カルテ」ではそれをオペラに置き換えて、オペラのストーリーは変えることなく、架空の占い師が登場人物の未来を示すという世界にチャレンジしています。いや、今すごい自分でハードル上げてしまってますが、そんな本格的なことにはしてないですが、事実に忠実なフィクションを考えるという時間がすごく楽しいです。という話です。はい。

『カルテ』公演概要
  • ストーリー仕立ての新感覚クラシックコンサート『カルテ ~占いに来るそれぞれの事情』
  • 日程:2017年8月9日(水)、10日(木)、11日(金・祝)
  • 時間:8月9日、10日=19時開演/8月11日=14時開演
  • 会場:ミタホール(大阪府豊中市)
  • 料金:1,000円(50席)
  • 出演:森田万柚子(ソプラノ) 山崎麻子◆◆(ソプラノ) 奥本凱哉◆(テノール) 山本裕美子 鶴岡空輝◆ 藤原麻里菜◆◆(ピアノ) 柳楽正人(占い師)(◆=8月9日のみ、◆◆=8月10、11日のみ)

《予約フォーム》
https://reserva.be/kartejp