【クラウドファンディング15日目】 2回目のレコーディング終了

2回目のレコーディングが無事に終了しました。予定通り何とか3曲録り終わることができました。ピアノもホルンも前回の経験を踏まえて、よりスムーズに進行できた気がします。でもスムーズに行ってもやっぱり、今の僕には1曲4~5分の曲を録るのに1日3曲が限界なんだなぁということもわかりました。まあピアノとホルンを別々に録っているので、普通に録音するよりも時間は倍かかってますからね。でも、ホルンを後から録るのは、ピアニストに遠慮することなくNGテイクを連発できるので、僕にとってはすごく気持ちが楽です。

レコーディングはあと1回予定しているので、そこで残りの3曲、あわよくば4曲録れたらいいなぁと思っています。全部で9~10曲ぐらいになりそうです。

【クラウドファンディング14日目】「もっとこうすればよかった」がないように

明日は2回目のレコーディングです。明日は3曲を収録予定だけど、それ以外にもやらないといけないことが一杯なので、上手く時間配分して進行できるかドキドキです。明日はクラウドファンディングで支援してくださった方向けに、レコーディングの様子を少し動画で録れたらいいなと思っています。(できなかったらゴメンナサイ)

いわゆる「プロデューサー」と呼ばれる立場かどうかは別にして、僕がこれまでレコーディングに立ち会ったときは全て、録音された音に対して僕も意見を言える立場でした。ほぼ全てのOKテイクのジャッジに立ち会って納得して完成させたはずなのに、後になって「ここはもっとこうしてもらえばよかったな」という箇所が必ず出てきてしまいます。その箇所を聴くと今でもほんのり、「もっといい音源にできたのになぁ」と、ミュージシャンに申し訳ない気持ちになります。

それは僕のモニタリング能力のなさもあるけれど、現場での判断の遅さ、押しの弱さが原因だと感じています。後から思うと、その時にもちょっとした違和感があったはずなのに、時間を気にして言わなかったり、そんな細かいこと言ったらエンジニアさんに悪いかなと思って言わなかったり。。。今回も1回目に録った音源を聴きながら、やっぱり「あのとき言えなかった部分」があって気になっています。自分の実力は別として、今回は「もっとこうすればよかったな」がないようにしたいと思っています。

【クラウドファンディング13日目】自分の存在を世に刻む

グスタフ・マーラーという人に皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?偉大な交響曲を残した大作曲家ですね。でも当時は、ウィーン国立歌劇場の総監督というクラシック界の頂点のポジションに登りつめ、多くの改革を実行した大指揮者でもあったそうです。もしその当時に録音や録画の技術があって、今でも鑑賞されるようなクオリティーで指揮者としての作品が残っていたとしたら、マーラーは「作曲家でもある指揮者」として認知されていたかもしれません。最近で言うと、レナード・バーンスタインのように。

例えば今風の仕事で言えば、ボーカロイドの楽曲制作者とかユーチューバーの中には、本業は別にあって、その傍らで活動している人もおられると思います。でもその人たちは、本業で記録に残るような大きな実績を残さない限り、おそらく世間の認識はボカロpであり、ユーチューバーであるんじゃないでしょうか。作品や業績を形として残しておくことは、自分の存在を世に刻むことなのかもしれないと思っています。あと何十年かして僕が老人ホームに入ったとき、CDを見つけたヘルパーさんは「わ!おじいちゃん、昔ホルン吹きだったんですね!」って言うことでしょう。プロでも何でもない人が、ただの思い出作りで残したものだったとしても。作品の生命力ってそれほど強いものだと思っています。

【クラウドファンディング12日目】ピアニストと作る音楽

ピアニストと音楽を作ること って簡単なようで難しいなと思っています。同じ曲でも違うピアニストと演奏したら違う表現になる、というのが理想です。でも、僕にピアニストの音楽を感じる余裕がないというのも要因だと思うけど、正直なかなかそこまで呼応し合う感覚になることがありませんでした。

一昨年、ピアニストの奈良綾香さんに、お遊びの初見大会に付き合ってもらったんですが、彼女の音楽の揺らぎやタイム感は僕の中にはなかったもので、小さな衝撃を受けました。その時、奈良さんとだったら、僕が知らない世界に行けるかもしれない、と思いました。そして昨年、弾き合い会にお誘いして一緒に演奏させてもらったときに、その思いはさらに膨らみました。レコーディングをしようという気持ちになったのは、奈良さんとの出会いがあったからでした。

今回、ピアノ曲からのアレンジものが1曲あるんですが、奈良さんにピアノソロで演奏してもらった録音を聴きながら、歌い方の勉強をしています。やっぱり僕にはない感覚があって、それを自分の中に落とし込む作業は、まさにピアニストと音楽を作っているという実感があります。

【クラウドファンディング11日目】多重録音への憧れ

なぜかは分からないけど、僕は昔から多重録音に対する憧れがあります。初めて多重録音をしたのは中学生のとき。家にあった、英会話教材だったかの専用カセットデッキを使うと、すでに録音したテープの上から、重ねて別の音を録音できるということを発見しました。そこで僕が録音したのが、ディープ・パープルの「天国への階段」のイントロでした。ギターは持っていなかったのでキーボードで演奏し、印象的に使われているリコーダーアンサンブルを耳コピして、3パートを別々に吹いて重ねました。多分誰にも聴かせたことがない、自分だけの楽しみでした。

大学を卒業してから、一般にも手が届く価格で普及し始めていたMTR(マルチトラックレコーダー)を買いました。いつかホルン四重奏とかを自分の演奏だけで録ってやろうと思っていたのですが、ピッチやテンポの揺れを合せるのが想像以上に難しく、すぐに諦めて宝の持ち腐れになってしまいました。いや、その後、プーランクの無伴奏合唱曲のためのミサ曲を多重録音で8声部入れてハモらせたことがあったっけ。音痴が8倍になった音源だから、それこそ誰にも聴かせられないお遊びだったけど、あれは楽しかったなぁ。

そんなわけで、ホルンとピアノを多重録音的に録っている今のレコーディングは、子どもの頃から憧れていたことだったので、すごくワクワクしています。