保育園でマイナーなクラシック曲を演奏してきました

今日の収穫。大阪のとある保育園でオーリックの木管三重奏の1楽章を演奏してきました。45分プログラムのラストに演奏したけど、体を動かす曲とかジブリの曲とかを上手に組み合わせて進めてきて、最後にまるでディズニーの曲でもやるかのようなカジュアルな感じでさらっと演奏したら、みんなちゃんと聴いてくれました。

このコンサートを準備するために、学生と一緒に音源を聴きながら、どの楽章をどんな風に紹介したらいいか考えた甲斐がありました。いや、僕の手柄のようにアピールしたいわけではないんです。何が正解とかはないし、これと同じことをやって上手く行かないこともあるだろうし、きっとオーリックをやらなくても喜んでもらえたんだろうけど、自分たちが人生を掛けて勉強して、心から美しいと思っているものを、クラシックになじみがない人たちにも日常の楽しみとして受け取ってもらう、という社会との関わり方の理想を諦めたくないんですよね。

やりたいことは言え/MC CLASSICA

やりたいこと言っておけ
その思いを伝えとけ
全部言葉に出しておけ
それで近づく君の夢
やりたいこと言っておけ
きっと誰か覚えてるぜ
全部言葉に出しておけ
運は自分でつかみ取れ

俺の話はクラシックのことしか言わないし
それはしょうがないから聞いてほしい
俺は書きたいんだ
雑誌にクラシックの連載
もし媒体が選べるなら
専門誌じゃなくて一般誌
まだクラシックを知らない人と
いっぱい出逢いたい 伝えたい

俺は録りたいんだ
完成した君のプレイ
俺の経験上は
本番よりリハの方が上手い人が
多いような気がするのは気のせい?
だからより本来の意図に近い
録音を選んで編集した
音楽を残してみたい
君の本当の姿ききたいよ

やりたいこと言っておけ
その思いを伝えとけ
全部言葉に出しておけ
それで近づく君の夢

やりたいこと言っておけ
きっと誰か覚えてるぜ
全部言葉に出しておけ
運は自分でつかみ取れ

「MIC WARs」Rec1-7エントリー作品

「時空の難破船」終演

バタバタしていたので、ちゃんと報告できていませんでした。子供たちがプロデューサーを体験する「プロダクションさきら」第3期の成果発表公演「時空の難破船-ロストシップ-」が1月26日に終演しました。当日の滋賀は大雪が降り、しかも開演前に大津駅で人身事故が発生するという状況でしたが、幸いほぼ予定通りのお客様にご来場いただきました。

子供たちがプロデューサーになるという建前ではありますが、10回の講座の中だけでできることは限られている(というかほとんどできない)わけで、「豪華客船に乗って世界旅行」というコンセプトと「時空の難破船-ロストシップ-」というタイトルを手がかりに、今回もまた講師という名の闇のプロデューサーの、恐ろしいほどの裏の作業がありました。

講座の中で受講生たちにも言いましたが、同じコンセプトでコンサートを作ったとしても、その完成形はプロデューサーの数ほどあります。「音楽で世界一周」というテーマのコンサートなんて、ピアノでも歌でも他の楽器でも山ほどあるわけで、今回も歌とピアノだけのコンサートでもよかったわけです。今回と同じ予算で作るなら、それに映像をつけることもできたかもしれません。僕は、できるだけたくさんの民族楽器を見てもらい聴いてもらうというスタイルを選びました。

今回のコンサートは、子供たちの夢に便乗して、自分の夢のコンサートを作ったんじゃないの?と言われたら反論しません。全員が複数の楽器を操り、複数の国のスタイルで奏でられるスペシャリストで、普通に活動してたら恐らく交わることがなかったかもしれない人たちで、どんな音楽ができるんだろうと妄想するだけで、僕自身のワクワクが止まりませんでした。そしてそのワクワクは練習が始まるとさらに加速していき、本番でピークを迎え、それは本当に幸せなひとときでした。

これも受講生たちに伝えましたが、僕がコンサートを企画するときに大切にしていることは、どんな演出や構成であっても必ず音楽が主役になること、そして条件が許す限り演奏者の魅力を最も伝えられる形を探るということです。今回は全員が作曲もできる人たちだったので、それぞれのオリジナル曲を演奏してもらいました。それは「豪華客船で世界旅行」というコンセプトには本来必要ない曲たちかもしれません。でも結果的にそのオリジナル曲の演奏こそが、それぞれの魅力を最大限に引き出す時間になったのではないかと自負しています。

僕はストーリーやコンセプトありきで窮屈な選曲をするのは、コンサートとしては本末転倒だと思っています。「カルテ」もそうなんですが、まず音楽最優先で構成を作ってから後付けでストーリーを考えます。今回はなかなかしっくりくる展開にならなくて悩みましたが、最終的に「人間と自然との共生」というテーマを見つけて、ようやく納得がいくストーリーになりました。

ここからは受講生を差し置いて、更に個人的な思いですが、今回のコンサートで一番心を砕いたのが電子オルガン(エレクトーン)の扱いでした。エレクトーンをお客様扱いせず、他の楽器と対等なアンサンブルになることを望みました。今井さんが頑張ってくれたおかげて、個人的にはエレクトーンと他楽器とのコラボとして、なかなか画期的な試みになっているのではないかと思っています。

映像の音楽は、今回のために今井さんに作曲してもらった「メジロ・エキスプレスのテーマ」です。闇の鬼プロデューサーが、メロディーが違うコード進行が嫌だと何度もダメ出しして作ってもらった曲です。これはコンサート本編のラストで演奏したバ―ジョンですが、この曲の終盤のサウンドの幸福感、ヤバくないですか?エレクトーンと生楽器が対等でこんなに違和感なく混じってるの、やっぱり画期的だと思うんですけどねぇ…。

そのうち、いくつかの曲の動画を公開できると思います。オリジナル曲はどれも超素敵だったから全部あげたいけど、民族音楽もいい音してると思います。全ての国の音楽スタイルを理解できてるわけじゃないから、なんちゃってと言われたらそうかもしれないけど、どの音楽にもリスペクトを持って失礼のないように仕上げたつもりです。

なお、僕のポリシーは「終演後のレポートまでがプロモーション」です。来られなかった人たちを悔しがらせることができれば目的は達成です。これからじわじわ悔しがらせます。

「スージーチャリティーコンサート」終演

スージーチャリティーコンサートが終わりました。スージーがトークで言ってましたが、彼は阪神と東日本の2つの震災を経験しています。被災地の人々の心のケアはこれからもずっと大切で、そこにまさに音楽の力が必要になるんだという思いは、誰よりも強いんだと思います。大規模な活動だけじゃなく、まだまだ被災地のことを忘れてないという気持ちを、こういう形で伝え続けていくことも大事なんだろうと思います。
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それにしても前回も思いましたが、スージーと森本くんを慕って集まったメンバーの豪華なこと!スタッフをしながら僕も純粋に楽しんでいました。演奏やスタッフで参加してくれた皆様、来場してくださった方々、そして気にかけてくださった皆様、ありがとうございました!

あけましておめでとうございます2019

“新年の決意を簡単に書く方法を教えてあげようか。昨年の決意を丸写しすればいいのさ”

あけましておめでとうございます。2019年もよろしくお願いいたします。というわけで今年の目標は、昨年と同じです。いや、一昨年のそれとも同じです。

・自分発信のコンサート企画を増やしていきたい
・クラシック音楽の愛好家を増やす活動をしたい
・既に誰かがやっていることは任せてそれを紹介したい

コンサート企画で言うと、いまはレクチャー系のコンサートに興味があるので、そのうち勉強会と称して色々お声をかけさせていただくと思いますが、嫌がらずにどうかご協力よろしくお願いします。

個人的な大きな目標としては、今年はホルンのCD制作があります。恐らく最初で最後の作品になると思うので、僕自身の音楽人生の集大成のつもりで準備しています。演奏活動を辞めてササヤ書店に就職して以来、僕は20年近くホルンにもピアノにもほとんど触れない生活をしてきました。今は個人事業主としてフリーランスの身分で活動しているので、一般企業に就職した人とか結婚して子育てしている人とかとは環境が違うと言えばそうかもしれませんが、それでも僕は、演奏を仕事にしなかった人間の代表のひとりだと名乗る資格があると思っています。20年間演奏から離れていたとしても、音楽と共にいられるチャンスが来るんだよということを、形として示したいという気持ちもあります。

実は来年あたりで人生にひとつの区切りをつけて、新しい生活をしてもいいなと思っています。いや、自ら積極的にそうするかはともかくとしても、2年後に今と同じ生活環境、今と同じ健康状態、今と同じ感受性で暮らしていられるかどうかはわかりません。緩やかに、でも確実に老いていく自分と向き合いながら生きている中で、今しかできないことは今やっておきたいという気持ちが年々強くなっています。CD制作もそのひとつですが、あと2年で今の人生を終わらせて、スッキリした気持ちで次のステージに進みたいと思っています。

んー、こうして言葉にすると重くなっちゃいますが、実際にはそんなに深刻に考えているわけではないですけどね。2年後の世の中も予測できないぐらいダイナミックに変化し続けている現代だから、この先何があってもいいように、せめて自分で句読点を打てるところはしっかり押さえていこうと思っているわけです。

これもちょっと重い?まあ今度会った時にでもゆっくりお話ししましょう。僕は人と会うということを時として仕事よりも優先しますので、いつもで声をかけてください。だって次に会えるのはいつになるかわからないじゃないですか。僕の優先順位のトップは「その時にしかできないこと」ですから。

え?また重くなった?これは失礼しました。面倒くさい性格は変わりませんが、今年もよろしくお願いします。