2008-06-13 レビューへの意外な反応

6月18日にアルバム「Tempeizm」でメジャー・デビューする、天平というピアニストがいます。
クラシック、ジャズ、ロックを全て吸収した、ジャンルを超えたオリジナル曲のカッコよさ、超人的なテクニックとパワーから生まれる疾走感。
1年前に初めて彼の演奏を聴いて衝撃を受け、それ以来、一般には流通していないインディーズ盤をうちの店で販売させていただくなど、ずっと応援し続けているアーティストです。
応援しているというよりもファンと言ったほうがいいのかもしれません。
今回のアルバムの発売1ヶ月前にレコードメーカーからサンプル盤をいただいたのですが、その内容の素晴らしさに興奮して、mixiの天平さんのコミュニティに先行レビューを寄稿したほどの熱の入れようなのです。

5月下旬、その天平さんの報道関係者などへのお披露目を兼ねたミニ・コンサートが大阪で開催され、僕も店の代表として参加してきました。
この日も素晴らしい演奏を聴かせてくれた天平さんを充分に堪能した後、レコードメーカーの主催で行なわれた懇親会に出席したときの事。
東京のレコードメーカーのスタッフの方とごあいさつをした時、名刺交換もそこそこにこんなことを言われました。
「先行レビュー読みましたよ。素晴らしかったです!ぜひあの文章を使わせていただきたいのですが……」
まさか関係者に見られているとは思わなかった僕は、ビックリしてただただ恐縮するばかり。
その後、天平さんの所属事務所のスタッフとお話をした際も先行レビューの話になり「あれは相当わかってる人が書いたんだなって思いましたよ」などと絶賛され、僕はこの予想外の展開に喜びつつも少し戸惑ってしまいました。

と言うのも、僕がmixiに寄稿したスレッドはすぐに数人からの反応があったものの、その後は全く書き込みがなく、むしろ同時期に立った別のスレッドの方が盛り上がっていたからです。
もちろん書き込みがないだけで、本当はたくさんのファンに読んでもらっているとはわかっているものの、表面上静かなのはやっぱりちょっと寂しい気持ちでした。
「このタイミングじゃなかったのかな」とか「余計なおせっかいだったのかな」などと反省をしていたところだったのです。

普段お店でお薦めのCDにコメントカードを書いたり、紹介文を書いたチラシを作ったりするときには、そのコメントについての反応が、お客様から言葉で返ってくることはほとんどありません。
唯一の手がかりは、そのCDが売れたかどうか。
それも売れたのがコメントの効果なのかどうかまではわかりません。
実際のところ、どんなに気合の入ったコメントを書いても、みんながどう受け取ってくれているのか、知りたくてもわからないというのが実情です。
それだけにダイレクトにレスポンスが返ってくるmixiという場所での反応を楽しみにしていたし、その書き込みの少なさにやきもきもしましたが、この日スタッフから直接返ってきた熱い言葉に「やっぱり書いてよかった!」と心を躍らせたのでした。

翌日、妻に懇親会での嬉しい出来事を話した後、例のレビューを読んでもらいました。
妻は僕がずっと天平さんを応援していることを知っていて、発売前のサンプルも一緒に1度聴いています。
いつも思ったことをズバッと言う妻からは、まあ面白かったよとか、またいつもの大げさな表現で語ってるねなどという感想が返ってくるものと思っていたのですが、その答えは僕にとって意外なものでした。
「これを読んだら、アルバムを聴き直したくなったよ」
これは音楽を紹介する者にとって最高の感想です。
しかも特に天平さんのファンという訳ではない人からの言葉だけに、なおさら価値があります。
妻からの思わぬ評価に、僕は有頂天になって天平さんのアルバムを大音量でかけ始めました。

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