これまでのお仕事(コンサートの企画構成)

宣伝のテクニックのひとつに「業界では当然のことなので誰も言わないことをあえて書いてみる」というのがあるそうです。自分の仕事を整理するために、これまでに台本を書いたコンサートを並べてみようと思い立ちましたが、でも演奏家の皆さんは自分がしゃべるコンサートの台本を書くって当たり前にやってることだと思うんですよね。きっと僕より遥かにたくさんの経験を積んでると思うんですが、あえて並べてみることで凄い人感を出そうという試みです(笑)

<これまでに企画・構成したコンサート>

●音暦~初夏~ 京芸チャンネル2014「120分クッキング」(京都市音楽芸術文化振興財団/京都市立芸術大学)2014年
司会を務めるシェフが、オリジナルのコース料理を紹介するという設定で進行した、京芸管打楽器専攻の各楽器のアンサンブルコンサート。

●ウイングスセミナー「親子で楽しむコンサート」(京都市男女共同参画推進協会)2015、2016年
それまで2つのグループが前後半に分かれて出演していたスタイルから、2つのグループが交互に出てくる構成に変更。

●やましなサマーコンサート(夏休みこども音楽体験ワークショップ&コンサート実行委員会/山科区制 40 周年記念事業実行委員会)2016年
子どもたちにコンサートのマナーなどを教えて欲しいという依頼で「拍手は観客のコミュニケーション」というテーマで進行。

●「カルテ~占いに来るそれぞれの事情」Vol.1,2(カルテ実行委員会)2017年
オペラの登場人物たちが占いの館にやってきて運勢を占ってもらうという、ストーリー仕立てのオペラアリアコンサート。

●第45回 音楽のつどい「みんなで楽しいX’mas!」(福知山市文化協会)2017年
「GIFT」をテーマに、前半は各奏者がクリスマスプレゼントのお礼に演奏するという設定で進行。後半は「我が母の教え給いし歌」など形のない贈り物も紹介。

●そうだったんだ あれもこれもクラシック(東山社会福祉協議会)2018年
クラシックになじみがない近隣の方々を対象にしたサロンコンサート。

●ミュージックテーマパーク in SAKIRA(栗東芸術文化会館さきら)2018年
音楽のテーマパークという設定で、アニメやゲームのメドレーを演奏。テーマパークの案内役のお兄さんお姉さんが影アナウンスで進行。

今年はあといくつか構成&司会をやらせていただく機会があるようです。ここ数年はそういう方向に流れが向いてるのかな?

出場者がチケットを手売り販売すること

元ボクシング世界王者の人が、SNSを活用したチケット販売テクニックのセミナーを開催するというニュースをボクシング専門誌が大々的に取り上げたところ、元ボクシング日本王者が「選手の商品価値を下げるな。その仕組作りは業界がやるべき。世界王者になってもチケット手売りなら誰もなりたがらない」と噛み付いたという話。

ただし怒りの矛先はセミナーを開催する元世界王者にではなく、本来チケット販売の努力しないといけない業界の専門誌が、選手のチケット手売りセミナーを賛美していることに腹を立てている、ということらしい。業界側(裏方)にいる人間としてはとても耳の痛い話。この一件を伝えているブログの最後に綴られている以下の引用は、「ボクサー」を「ミュージシャン」に置き換えても、リアルに受け止められると思う。

 なぜなら多くのボクサーたちは若いからだ。目先の小さな金に必死になるより、いましかできない経験を手に入れた方がずっと大きな財産になるし、大人が考える理屈に惑わされず、スポーツや恋愛に本能で打ち込むことは若者の特権ではないか。いまセミナーを受ける側になるなら、将来セミナーをやる側にまわるような発想でいた方がいいんじゃないかと個人的には思う。

ボクシングビジネスはアスリートではなくビジネスマンが考えるべきもので、そのセミナーがあるなら対象は後輩ボクサーよりもプロモーターのはずだ(なぜそれをやらない?)。プロボクサーは「プロ」のボクシング屋であって、チケット売りの達人ではない。わざわざ過酷なことやってるのだから、自分の試合を見せて、人に金を払ってもらうことにプライドを持てばいいし、できるだけ強い奴とやって、ひとりでも見た観客に「凄かったね!」と言われれば、売れたチケットの枚数では計れない評価となる。

僕は東京ドームで無名キックボクサーとして試合をしたが、つまらない試合で誰ひとり沸かせてはいなかった。一方、数少ない経験だが、観客が300人ぐらいしかいない会場で、サインの行列ができるぐらい沸かせたことがあって、そのときだけ「役割を果たせた」気がした。同時に、それまで客のことを何も考えていなかった自分を恥じた。僕は格闘技では「プロ」ではなかった。だから、なおプロ意識の強いボクサーが大好きだ。彼らにはプロのプライドを高めて、かっこよくいてほしい。

チケット手売り論議!木村悠のセミナー商売 × 土屋修平のプロ意識|猫ボク。CAT,BOXING and I

僕もミュージシャンに胸を張ってそう言えるようにがんばらないと。

自分にとって一番大切なこと

ある演奏家さんとお話ししていたとき、「私にとって一番大切なことは、自分が幸せであることです。演奏することはその幸せの一部ではあるけれど、全てではない。それを見失うとおかしなことになる」と言っていたのがすごく印象的でした。僕も全く同じことを考えています。僕の幸せは、音楽や仕事ももちろん大切で楽しいけれど、家族や愛猫たちとリラックスして過ごす平凡な時間だったりします。その幸せを守るために生活するということを忘れたらバランスが崩れてしまうんだろうと思います。

睡眠+努力

オリンピックや国際大会のアスリートを見てほんの少しだけモチベーションが上がるのはいつものことですが、今回はちょっと違いました。アスリートは努力してるってよく言うけど、それと同時にきっと睡眠もたっぷり取ってるはず。競技によっては10時間とか12時間ぐらい寝てるとか言いますもんね。起きてる時間は僕よりもうんと少ない中で、その中で僕よりもうんとうんと努力してる。つまり睡眠を削って働いてること自体、努力とは違う方向なんじゃないか、、、とちょっとだけ思ったわけです。なので睡眠時間をちゃんと確保するというのが現時点の目標になっています。

橋爪皓佐「Tiyptyque Français」(ミタホール初演作品)

ミタホールが2月で5周年を迎えたということで、何かしら振り返ってみたい気分です。Web上ではミタホールで演奏された音源や動画がいくつか公開されていますが、その中から橋爪皓佐さん作曲の「Tiyptyque Français」の音源をご紹介します。2014年の「三手連弾プロジェクト」から生まれた三手連弾ピアノによる新作で、有馬圭亮さんと木口雄人さんによる初演のライブ録音です。愛らしい3つの小品で、ぜひたくさん演奏されて欲しいと思っている曲のひとつです。ミタホールでは意外と新曲初演もあったりします。